第10話   北港のカモメ  平成15年7月4日


最近、酒田北港に可哀想な1羽のカモメが居る。

口の脇に釣り針が刺さっており、釣り糸がくちばしのまわりに絡み付いている可哀想なカモメである。人間が悪い。自然は人間為だけにあるのではない。動物いや生物全体のものである。

「逢うたびに、今日も生きていたか?」と思う。口が大きく開けられないので、釣り人が釣り場の周囲に捨てて行ったコアミやオキアミを食べているのだ。最近こんな鳥な増えてきている。戦後米国に追いつけ追い越せで、いろんな品が大量に生産され、安く品物が供給されるようになった。「消費は美徳となりと云われた米国経済」の汚点を今の日本は捨てきれない結果だ。いるときだけ使って、いらなくなったら捨ててしまうのが当たり前。場所はどこでもお構いなし・・・。そんな日本人を作ってしまったのは誰だ。

昔の「礼節を重んじ、礼儀正しい日本人」は何処へ行ったのだ・・・!! 古い新しいではない、当たり前のことだ。一人一人がゴミを作らない、作ったら自分で片付けよう。自分で処理出来ないものは、きちんと処理できる所へ片付ければ良いのだ。こんな簡単な事が出来ないなんて・・・!!そんな人間は釣をする資格等ない。
TVで東京で猫に矢が刺さっているのが見つかったと云う。やった本人は面白いからやったと云うだろう。自分が当事者(猫)だったらどうする。と云う私も、釣で魚を殺している人間の一人だ。あまりどうのこうの云う資格はない。


自分の気持ちが済むようにお盆には、魚の殺生に対し線香を上げて供養をしている。釣をやめられない自分に対して何か後ろめたさを感じている。